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構築利用企業の声
トヨタファイナンス株式会社

新たな債権回収モデルを活用して、督促の架電業務を削減しながら
97%前後の高い回収率を維持します

トヨタファイナンス株式会社

信用管理本部 副本部長
佐藤 肇 氏

トヨタ車の販売店顧客向けの割賦事業とクレジットカード事業を主軸に、幅広い金融商品・サービスを展開するトヨタファイナンス株式会社。「コスト競争力のあるオペレーション」をスローガンに業務の効率化を進めてきた同社では、エクスペリアンの開発した債権回収モデルを採用。電話による督促の対象者をデータに基づいてランク付けすることで、97%前後の高い回収率の安定的維持とオペレーションコストの大幅な削減に成功しています。

「エクスペリアンの債権回収モデルを使って、回収見込みが高いお客様だけに架電先を絞ることで、架電件数を減らしながら以前と同じ回収率を維持できるようになり、オペレーションコストの大幅な削減が実現しました」

背景・課題

不良債権の回収率アップと架電業務のコスト削減に向けて、回収見込みのランク付け精度を向上する、具体的な数値データに基づく合理的な判定モデルの導入が求められていた。

ソリューション

ユーザー自身による柔軟な設定変更と、その結果得られる高精度な架電対象のランク付けで、きわめて高い回収率の実現と安定的維持を可能にするエクスペリアンの債権回収モデルを採用。

導入効果

回収見込みの高い顧客から督促業務を行えるようになった結果、年間を通じて97%前後という高い回収率を達成。またランク付けに応じて適正なスキルの担当者を配置できるようになり、人的リソース活用の最適化が実現。より効率的な回収業務が可能になった。

 

新たな債権回収モデルによる業務の効率化とコスト削減

トヨタ、日野、ダイハツ各ブランドの販売店の顧客を対象に、自動車ローンをはじめとするさまざまな金融商品やサービスを提供するトヨタファイナンス株式会社。同社では変化の激しい金融サービス業界での競争力を高めるべく、中期経営計画に基づいた業務効率の向上とコスト削減の取り組みを継続的に進めてきました。信用管理本部 副本部長の佐藤肇氏は、「回収の可能性の高いお客様に絞り込んで効率的な督促業務をいかに行っていくか。すなわち、回収業務におけるローコスト・オペレーションと回収率の安定は、当社にとっての非常に重要なテーマです」と語ります。

回収業務の中でも、特に大きな課題となるのが “初期の回収”です。同社では返済が 遅れている顧客に対して、まず電話による「入金のご案内」を行います。しかし、毎月約12万件にもおよぶ延滞者全員に対して電話で連絡するのは、物理的な人的リソースでは不可能です。

「これまでは担当者が過去の経験をもとに、回収の可能性の高そうな順に架電対象者を順位付けしていました。しかし、より高い回収率と架電業務のコスト削減を実現するには、データに基づく新たな判定モデルが不可欠だと考え、複数のコンサルティング会社に提案を依頼しました」(佐藤氏)

チューニングの柔軟性と業務の理解度を評価

新たな債権回収モデルの検討が始まったのは、2012年前半です。数社からの提案を比較検討した結果、トヨタファイナンスは最終的にエクスペリアンの債権回収モデルの採用を決定しました。その理由について、佐藤氏は「簡易な設定変更であれば、導入後でもユーザー自身でチューニングが可能である点は最大の評価ポイントでした」と明かします。

同社では、刻々と変化する顧客の環境や世の中の経済状況に対応するためには、継続的なモデルの見直しと変更が不可欠だと考えていました。しかし、エクスペリアン以外の提案はすべてデシジョンツリーのモデルで、設定変更に際してはモデル自体の再構築が必要となるものでした。そのため自社での改修は困難なうえ、開発元への依頼に際しては大きな費用が発生します。 さらにエクスペリアンのプロジェクト体制も採用の決定を後押ししました。債権回収モデルの開発において、コンサルタントが顧客の課題を正確に理解しているかどうかは、プロジェクトの成果を左右する重要なポイントです。

「コンサルタントが開発担当者に要件を正確に伝えることができなければ、分析の基軸そのものがずれてしまいます。その点、エクスペリアンのコンサルタントは私たちの業務に対する理解が早く、当社の分析担当者からも評価の声が聞かれたことから採用を決めました」(佐藤氏)

97%の回収率を安定的に維持
人材の適正配置で省コストも実現

プロジェクトでは、まず2012年8~11月の3カ月間をかけて、エクスペリアンが過去の回収業務のデータ分析を実施。その結果をもとに2013年度を通じてシステム実装とオペレーション体制を検討。その後、2014年4~10月のパイロットテストを経て、2015年1月から新たな債権回収モデルの正式な稼働がスタートしました。

これまでの運用の成果について、佐藤氏は「当初に想定した効果やメリットは確実に現れています」と手応えを語ります。なかでも最も大きな成果として挙げられるのが、モデル実装が行われた2014年度第3四半期から現在に至るまで安定的に維持されている97%前後の債権回収率です。

さらに佐藤氏は、この高い回収率にも勝る重要なメリットとして、回収見込みに応じて債権をランク付けることで、人材のアサインを最適化することができるようになった点を強調します。これまで回収率を上げるための施策といえば、どうしても人海戦術、つまり人件費や時間といったコストを注ぎ込む以外の選択肢はありませんでした。しかし、延滞者の中にはたまたま返済が遅れただけで、電話をかけなくても回収できる顧客もかなり含まれます。精度の高いランク付けによってこうした層への架電が不要になったことは、オペレーションの効率とコストに大きなインパクトをもたらしています。

「これまでの『架電数を増やせば、回収率が上がる』という常識が、エクスペリアンの債権回収モデルで一変しました。回収見込みが高いお客様だけに架電を絞ることで、『架電数を減らしても、以前と同じ回収率を維持できる』ようになり、最終目標であるオペレーションコストの大幅な削減が実現しました」(佐藤氏)

2015年から2016年にかけての統計データでは、約30%もの架電数の削減が確認されています。業務運用上の施策改善など複数の要因が奏功した結果とはいえ、新たな債権回収モデルが着実な貢献を果たしていることは間違いありません。

また、ランク付けの判断精度そのものも大きく向上しました。従来のように担当者個人の経験値や勘に頼っている場合、大きな自然災害などの異常事態が発生すると、それらの要因が影響して判断が揺れることが珍しくありませんでした。しかし現在では、具体的なデータを判断基準とする債権回収モデルによって、合理的かつ精度の高い判断ができるようになっています。

評価モデルの一本化やセキュリティ強化にも注力

これまで担当者の経験や勘に多くを依存していた回収見込みのランク付け作業に新たなモデルを援用することで、まだ経験の浅いスタッフでも効率の良い回収業務が行えるオペレーションモデルは、トヨタファイナンスの社内で確実に定着し、効果を発揮しています。佐藤氏は「ここから生まれる人的リソースを生かして、将来的には1人のお客様のライフサイクル全体を適正に評価できるモデルを構築できないかと考えています」と語ります。

現在のオペレーションでは、契約時、支払い継続時、不良債権化時とステージに応じた複数のモデルが存在します。これを一本化することができれば、より顧客の現状に応じた柔軟なサービスが可能になるはずです。さらに今後は、自らが参加するクレジット取引セキュリティ対策協議会を通じて、クレジットカード利用者の本人認証を行う“3Dセキュア2.0”の展開などにも力を注ぎたいと語る佐藤氏。今回のエクスペリアンの債権回収モデルも、そうした同社の金融サービス環境の整備に向けた取り組みに貢献しています。

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