KFCの成長戦略の一環となる、自社会員組織を中核としたデジタルCRM戦略を、エクスペリアンジャパンのマーケティングオートメーション「Cross-Channel Marketing Platform(CCMP)」がいかに支援しているのか、マーケティング部 DIGITAL・CRM推進担当 マネージャーの塩谷旬氏に話をうかがいました。

1:KFCの事業への取り組みについてお聞かせください

 

 

2:市場を取り巻く昨今の環境変化を教えてください

まず市場の変化としては、どの企業にも言えることですが、人口減少や高齢化によって新しいお客様を増やす機会が減ってきました。よって既存のお客様の会員基盤が非常に重要になっています。

お客様の変化としては、スマートフォンの普及により情報収集行動のデジタル化が加速しています。従来であればTVCMをはじめとしたマスキャンペーンを打てば、ある程度の反応が見込めました。しかし今後は、お客様が接触するコミュニケーションチャネルに合わせて企業のマーケティング活動をデジタルシフトしていく必要があります。

競合の変化としては、ファストフードチェーンやコンビニチェーンが、立地や価格を強みに市場に新規参入してきたこともそうですが、本当の脅威は各社のデジタル戦略の加速でしょう。アプリやスマホサイトなど、お客様がスマートフォンでアクセスしやすいプラットフォーム上で、お客様の囲い込み合戦が激化しています。

3:その変化の中で顕在化してきた課題を教えてください

課題①~お客様の状態に応じたコンテンツの出し分けをいかに実現するか~

欲しいコンテンツは、どれぐらいの頻度でご来店するか、どんな商品を好んでご購入頂くかによって異なります。しかし実状は、お客様の状態毎にセグメントを切ったコンテンツ配信はできていませんでした。

課題②~お客様のご来店タイミングに合わせた情報配信をいかに実現するか~

ご来店のタイミングもお客様毎に異なります。本来であればお客様毎にそれらを自動算出して、そのタイミングで情報配信することが理想です。しかし実状は、それができていませんでした。

これらの課題を解決するためには、お客様の状態に応じて自動的にセグメントを切り、セグメント毎に設定しておいたシナリオを、お客様毎の最適なタイミングで自動的に実行するプラットフォームが必要でした。それがエクスペリアンジャパンのCCMPだったのです。

4:課題を解決するCCMPを用いた施策のポイントを教えてください

課題を全て解決するためには、プラットフォームの設計に多大な労力を費やします。よってまずは、すぐに実施可能な施策を2点企画し、メールというチャネルで実装しました。

前提としてKFCにとってメールは、重要なプッシュ型コミュニケーションチャネルの一つです。なぜならば、チキンのシズル感を伝えるのに適したリッチコンテンツの配信にも向いていますし、なによりお客様がご来店の際に参考にして頂ける場合が多いからです。

①初回のご来店を基点にステップメールを配信する

KFCではクリスマスや年末年始、こどもの日や誕生日など、ハレの日需要が多いのが特徴です。一方で、ハレの日しかご来店頂けていないお客様の多くは、年に一回のご来店に留まる傾向にありました。そのようなお客様に二回目のご来店をして頂くために、初回ご来店者様向けのステップメールを実施しています。具体的な内容としては、初回ご来店後、想定期間内に2回目のご来店がなかったお客様に対し、1回目にメニューの訴求、2回目にクーポンの訴求、3回目に更に魅力的なクーポン訴求のメールを送るというものです。

②お客様毎にご来店タイミングを予測し、そのタイミングでシナリオを自動的に実行する

お客様毎にご来店のタイミングを予測するために、過去のご来店履歴から平均間隔と標準偏差(平均ご来店間隔との誤差)を自動算出します。そして最終ご来店日から平均間隔日数と標準偏差日数が過ぎた段階で、ご来店促進プログラムを自動的に実行します。本来であれば、平均間隔日数を過ぎたタイミングで良いのですが、KFCではお客様にとってより最適なタイミングを追及するため、お客様毎の平均との誤差をも考慮しています。これによりお客様の欲しいタイミングでの情報配信を実現しています。

これら2つの施策は、お客様に“最適なおもてなし”を実現するという全体構想のほんの一部にすぎませんが、まずはスモールスタートから、お客様1人ひとりに最適なタイミングで必要なコンテンツを配信する仕組みを、CCMP上で実装しています。

5:エクスペリアンのCCMPを選んだ理由を教えてください

前提として、単なる機能比較をもとに選定した訳ではありません。どのベンダーと組めば将来実現したい全体構想に対して、明確な実現イメージが沸くかという基準で選定しました。そのイメージが明確に沸いたのがエクスペリアンジャパンのCCMPだったのです。なぜ明確にイメージできたか、その理由が次の3つです。

選定理由①メールマーケティングのノウハウがあったから

KFCはフライドチキン専門店のため、お届けするコンテンツのバリエーションに限りがあります。つまりコンテンツを企画する際は、訴求メッセージの変更や構成の変更など、細かい部分を調整することでバリエーションを増やしていく必要があります。エクスペリアンジャパンは、メールマーケティングサポートの実績が多数あり、デジタル上でのコンテンツのチューニングやシナリオ設計のノウハウを有しています。そのため、KFCのデジタルCRM戦略を、パートナーとして一緒に実現できそうだと思えたのが一つ目の理由です。

選定理由②スモールスタートを基軸とする提案があったから

KFCが描くデジタルCRMの将来像はとても大掛かりなものです。その中でメールというチャネルから取り掛かるという提案は、システム構築や導入スケジュール、運用体制などを勘案しても、実現性が高いものでした。それだけでなく、効率的に成果に結びつく施策から始め、徐々に将来の構想に向けてシナリオや機能を拡張していくというスモールスタートの視点が、提案に含まれていたことが二つ目の理由です。

選定理由③エクスペリアンジャパン社内で完結できる運用体制と適任の担当者配置があったから

よくあるのがツールの提供と導入はするが、シナリオ設計やコンサルテーションは別会社で行うという運用体制です。エクスペリアンジャパンの場合は、要件定義や施策の設定代行等の導入支援だけでなく、戦略立案やオペレーション代行などの運用支援までも一貫して行える社内体制だけでなく、実際誰がどのタスクを実施するかという点をバイネームで頂けたことが三つ目の理由です。

6:今後の展望を教えてください

2016年3月に「カーネルPontaクラブ」と「カーネル通信」を統合した「カーネルクラブ」を発足しました。より多くのお客様との関係性を構築し、お得な情報をお届けすることを目的としています。

これは従来のCRM基盤が購買データ基点だったのに対し、行動データ基点に移行するための重要なステップです。将来的にはCCMPとDMPとを連携させ、メールやソーシャル、アプリ、Web上での情報収集行動を基点に最適なコンテンツを最適なタイミングで、クロスメディアで届けていくのが目標です。

今後エクスペリアンジャパンには、関係各社も含めたプロジェクトのサポートをしてもらえること、そしてデジタルマーケティング支援で培ったノウハウを最大限に生かし、KFCとお客様との新たなコミュニケーションの実現に向け、単なるツールベンダーの枠を超えたパートナーとしてのサポートを期待しています。

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