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海外取引の新しいリスクとは?

国内取引同様、海外企業との取引に際して審査部門にリスクとして認識されているのは売掛債権の回収リスクです。あるいは調達・購買側では、調達品目の安定的な仕入れを目的に、相手先企業の事業継続リスクをみます。これらは、伝統的に与信管理・調達管理という手法の対象として認識されてきたリスクで、特段目新しいものとはいえません。

海外ビジネスを取り巻く新しいリスク

しかし、近ごろ与信管理に加えた新しいリスクとして、海外コンプライアンスが取りざたされる機会が増えてきました。
わが国では、2016年10月に改正犯罪収益移転防止法が施行され*1、法人または個人が海外に対して送金を行う際の審査事項が強化されました。本稿は法律の解説ではなく、弁護士などにより内容の審査が行われるものではないため、その詳細については記述し得ません。
しかし、この改正法の施行と前後して、海外取引の審査・調達部門の大きなトピックになっているのが、海外コンプライアンスに集約される安全保障貿易、贈収賄法遵守・犯罪組織とのかかわりに関するリスクです。

安全保障貿易とは

安全保障貿易のリスクは、取引相手先企業が(大量破壊兵器などの)武器の製造に関っている事により、国際機関や各国の輸出入制裁リストにその企業名が公表されており、それに気づかずに取引を進行させることにより、諸機関より武器製造の幇助に当たるとして責任を訴求されたり、自社の社会的信用に傷を付けたりすることにあります。
経済産業省*2や一般財団法人安全保障貿易情報センター(CISTEC)*3では、安全保障貿易にまつわる様々な情報を提示、公表しています。一方で、エクスペリアンに寄せられる企業からの相談の多くは、何をどうすれば責任訴求のリスクが回避されるのか、明確な回答が得られないというものです。

信用調査報告書が役立つ?

信用調査会社の多くが提供する調査報告書では、そうしたコンプライアンス・安全保障貿易に関連したリスクにまで言及しているものはまだまだ少ないです。逆に言うと、信用調査報告書だけではこのリスクの確認には不十分です。冒頭に述べた伝統的な与信管理を使途としているためです。

では解決策は?

取引相手がそうした制裁リストに該当がない事を自社で精査しようとすると、OFAC*4を含む各国行政機関や国際機関が発表するリストを確認しなければなりません。しかし、精査しなければならないリストは膨大であり、そのメンテナンスを考慮すると自社での実施は現実的ではありません。エクスペリアンをはじめ、多くの民間企業がこれらのリストや情報をデータベース化し、一回のスクリーニングにより数千のデータソースを参照する事を可能としています。まずはこれら民間企業に相談し、スクリーニングのためのツール(KYCチェック)を入手するのが先決となりますが、スクリーニングの前提として、信用調査報告書が重要な役割を担うことになります。

安全保障貿易のチェック必須項目

1. 法人名(商号・屋号)
信用調査報告書は、公示書類である商業登記に記される最新の法人名にのっとっています

2. 株主
一部株主の開示義務がない国がありますが、多くでは直近の持ち株比率とともにその報告が可能です。なお、Ultimate Beneficially Organization(究極受益者)まで訴求せよとの議論もあり、直接の親会社のチェックだけでは不足の場合があります。

3. 役員
公示書類である商業登記に記される最新の役員名にのっとっています

まとめ

民間企業が構築したデータベースを活用し、信用調査報告書に掲載されるキーワードをもとに確認を行えば、最新の制裁リストに対し最新の企業情報を使いスクリーニングを行うことができます。本稿では、贈収賄法遵守のリスク、AMLのリスクについては言及しきれませんでしたが、PEPsのチェックにも同じことが言えます。手元の信用調査報告書の情報を最大限に生かし、海外コンプライアンスへの対応にもお役立てください。

参考
*1改正犯罪収益移転防止法について – 金融庁
http://www.fsa.go.jp/common/about/pamphlet/20161001.pdf

*2 http://www.meti.go.jp/policy/anpo/
*3 http://www.cistec.or.jp/
*4  https://www.treasury.gov/about/organizational-structure/offices/Pages/Office-of-Foreign-Assets-Control.aspx


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